なぜ、企画段階で人気の商品が売れないのか

頭で考え、感情で買う

前回「マーケティングで陥りやすい間違い1位とは」で書いたように、私たちは「お客様はたくさんの中から自分の好みのものが選べたら喜ぶはず」と思いがちです。しかし実際にはそうとは限りません。


なぜそう思ってしまうのでしょうか。それは、仕事や研修で考える「良いと思う商品」と、実際に「買うと決める瞬間に良いと思う商品」は異なるからです。


有名な例に「マクドナルドのサラダ」があります。マクドナルドが「あなたがマクドナルドにあったら食べたいと思う商品は?」とアンケートを取ると、たいてい「ヘルシーなサラダ」が上位に入ります。しかし実際にサラダを売りだすとあまり売れないのだそうです。


もちろんこれはアンケートを書いた人がウソを答えたわけではありません。アンケート用紙を前にすると「サラダが食べたい」と思った人でも、実際にマクドナルドのカウンターに行って注文するときに本当にお金を出して(他の商品ではなく)サラダを買うか?というのは別の話になるのです。


そもそもヘルシーな食事をしたいのなら、最初からマクドナルドには行かないはずです。マクドナルドといえば基本はハンバーガーやナゲット、シェイクなどが食べたいから行くのであって、そこでサラダがあってもあまり興味をそそらないでしょう。でも人はアンケートだとサラダと答えてしまうのです。


お弁当の企画を考えてもらうと必ず出てくるのが「自分で細かくカスタマイズできるお弁当」です。しかしそう答えた人も、本当にそのようなお弁当が発売されたら嬉しいでしょうか?


スーパーやコンビニでお弁当を買う際、「自分好みのものをじっくり考えて選びたい!」という人は少ないはずです。たいていは「こっちは唐揚げでこっちはハンバーグか、どっちがいいかな」程度は考えますが、それ以上に考えるのは面倒なはずです。でも企画段階だとついつい「いろいろ選べたら嬉しい!」と思い込んでしまうのです。


他にも「企画で盛り上がる商品が店頭では売れない」例として、「自社の既存商品と比べてのみ考える」があります。自社内では今までに比べてここが違う、ここが新しい、という考え方をします。しかしお客様はそうとは限りません。そもそも既存商品とどう違うかなんてわからない可能性がありますし、比較検討の対象が既存品ではないまったく別物かもしれません。


例えば「今までウチのスーパーは冷凍さんまばかりだったけど旬の秋は生さんまを直送して売ろう!」と考えたとします。社内的には、今までよりもおいしくなって売れるはず、と考えます。しかしすでに他店が同じような取り組みをしていたらお客様にとって目新しい点はゼロです。それにお客様のニーズ自体がさんまではなく他の秋の味覚、栗ごはんや松茸ごはんに移行しているかもしれません。


企画段階で「これは売れるはず!」と思った商品は、以下の3点をチェックしましょう。


1.種類の多さでかえって混乱させていないか?

2.お客様の手間を増やしていないか?

3.単なる自社比較での改善でないか?