生産性とは何か
私が研修やコンサルティングで、テーマに関わらず繰り返し述べていることがあります。それは、ビジネスにおいては
「誰でも同じように解釈できる言葉」
を使いましょう...ということです。
何を当たり前な、と思うかもしれません。ところが意外とできていないものです。
職場や取引先の人の頭の中はあなたと同じではありません。だからこそ、そんなつもりではないのに…という行き違いを避けるよう注意する必要があるのです。
では、その「誰でも同じように解釈できる言葉」の反対とは何でしょうか。
それは人によって解釈が異なる言葉であり、「ついわかったつもりになってしまう言葉」です。私はそれをわかったつもり語、略して「つもり語」と呼んでいます。
その「つもり語」には何があるでしょうか。
よく登場する典型的な例は「ブランド」です。
「我が社に必要なのはブランドだ」
「売上アップのためにはブランド強化が欠かせない」
「ブランドづくりをしなければならない」
...
どれも確かにそんな気がします。このように言われるとなんとなく納得してしまいそうです。
では、
ブランドとは何か?
何がどうなることがブランド強化なのか?
ブランドづくりとは何をすることなのか?
…と聞かれると答えられない、もしくはバラバラな答えになってしまうのではないでしょうか。
それはつまり「ブランド」が人によって解釈が異なる言葉、まさに「つもり語」だからです。
他には「生産性」という言葉もそうです。生産性の向上が急務だ。...とよく言われますし、なんとなくわかります。では生産性とは以下のどれでしょうか。
今と同じ量をより少ない原材料で作ること。
今と同じ量をより短い時間で作ること。
今と同じ量をより少ない人数で作ること。
あるいは、今より多い量を...
考えだしたらキリがありません。
このように、ブランドや生産性というのは耳にとって聞こえがよく、何となくわかったつもりになりやすい言葉です。
こういったあいまいな「つもり語」を使いそうになったときは、
「相手も同じことを連想できるか?」
と立ち止まってみましょう。
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